資格

統計検定2級と準1級 どっちが必要?

2023-06-03

たすく

きょうは「2級で足りるのか、準1級まで要るのか」を、線を引いて決めていきます

統計を勉強しようとすると、必ずここで止まります。

「2級ではダメなのか」

「準1級まで要るのか」

上の級を取っておいたほうが安心じゃないの?

あかり
たすく

その考え方だと、たいてい途中で止まります。準1級は、片手間で越えられる線ではないので

ここには、大人の学び直しに特有の詰まりがあります。

学生時代なら、迷いませんでした。

上の級を目指せばいい。範囲は決まっていて、時間もある。

でも、いまは違います。

使える時間は限られていて、しかも「どこまでやれば足りるか」を自分で決めなければならない。

大人の勉強がしんどいのは、内容が難しいからではありません。

範囲を、誰も決めてくれないからです。

なので、先に判断の軸を置きます。

結論:級で決めない。「扱うデータの形」で決まります

変数が1つか2つで足りるなら、2級で十分。

変数が多い、または時間の並びがある。このどちらかに当たった瞬間、準1級の範囲に入ります。

「どんな仕事か」ではありません。

「目の前のデータがどんな形か」です。

同じマーケティング担当でも、扱うデータで答えは変わります。

だから職種で語ると、いつまでも決まりません。


2級で何ができるようになるのか

2級の範囲は、おおよそこの4つです。

  • データの整理と要約
  • 確率と確率分布
  • 推定と仮説検定
  • 分散分析と回帰分析

言い換えると、こうです。

「この差は、たまたまか。そうでないか」を判定できるようになる。

施策Aと施策Bで数字が違った。

その差に意味があるのかを言える。

会議で交わされる統計の話は、実のところ大半がここです。

2級は「足りない級」ではありません。仕事で使う統計の主戦場です。


準1級でないと届かない場面は、3つ

では、どこから届かなくなるのか。

具体的に3つあります。

① 変数が多すぎて、どれが効いているか分からないとき

2級でも回帰分析は扱えます。

ただし、説明する側の変数が20も30もあると話が変わります。

どれが本当に効いていて、どれが他と重なっているだけなのか。

これを整理するのが多変量解析です。

主成分分析などが、ここに入ります。

購買行動を、価格・年齢・頻度・地域……と多面的に見たい。

そう思った時点で、この扉の前に立っています。

② データに「時間の並び」があるとき

ここが、いちばんはっきりした境目だと思っています。

売上を月ごとに並べる。

そこには季節の波があり、前の月の影響が次の月に残ります。

バラバラの点として扱う手法は、並びのあるデータに使えません。

時系列解析は、2級の範囲に含まれていません。

売上予測って、そんなに別物なんだ

あかり

③ データが少なく、不確かさごと示したいとき

ベイズ推定やブートストラップ法が、ここです。

件数が少ない。前提が揺れている。

それでも「どれくらい確からしいか」を添えて出したい。

新規事業のように、過去のデータが薄い場面で効きます。


学生時代の資格勉強と、社会人の資格勉強は別物です

ここで一度、勉強のしかたの話をします。

学生時代の勉強は、範囲が決まっていて、答えがあるものでした。

やるべきことは「覚える」。それで点が取れます。

社会に出てからの勉強は、逆です。

範囲は決まっておらず、答えも状況で変わります。

じゃあ、資格の勉強はどっちなの?

あかり
たすく

いい質問です。実は、まん中で割れているんです

資格の勉強そのものは、前者です。

範囲があり、答えがある。学生時代のやり方がそのまま通用します。

でも、「どの級を取るか」を決める部分だけは、後者です。

ここに答えは無く、自分の仕事の状況からしか決まりません。

大人の学び直しでつまずくのは、勉強そのものではありません。

その手前の「何を、どこまで」を決めるところです。

この違いについては、受験勉強と社会に出てからの勉強は、何が違うのかで詳しく書きました。


準1級には、どれくらい時間がかかるのか

2級の内容がひととおり入っている状態から始めて、3か月から6か月が目安とされています。

ただし、この数字には前提が付きます。

毎日2時間ほどを、続けた場合です。

逆算すると、200時間前後。

週末だけで積むのは、かなり厳しい量です。

けっこうな山だね……

あかり
たすく

だからこそ、上に挙げた3つのどれかに実際に当たっているかを先に確かめてほしいんです

200時間は、「念のため」で払える額ではありません。

払う理由が具体的にあるときだけ、投じる価値が出ます。


合わせて必要になるもの(見落とされがちです)

準1級の手法は、手計算で回すものではありません。

実際に使うには、PythonやRで動かせることがほぼ前提になります。

つまり、準1級を目指すというのは、統計と道具の両方を同時に積むということです。

ここを見落とすと、合格したのに使えない、という状態になります。

そしてもう1つ。

どの手法を選ぶかを決める力は、級では測られません。

問題を正しく捉え、適切な手法に割り当てる。

これは基本的な統計の知識と、論理の力の側にあります。


迷ったときの決め方

最後に、実際の決め方を書いておきます。

いま自分が触っているデータを、1つ思い浮かべてください。

列は何本ありますか。

日付の列は入っていますか。

件数は何件ですか。

列が数本で、日付の並びを使わないなら、2級で足ります。

そこを越えているなら、準1級の範囲に入っています。

級は、目標ではありません。

手元のデータが要求してくる水準を、後から名前で呼んでいるだけです。

だから、データを見ずに級を選ぶと迷います。

データを見れば、答えはもう出ています。


そして、止めていい線を先に決めておく

最後にもう一点だけ。

大人の勉強で本当に効くのは、ここだと思っています。

始める前に「ここまでやったら止める」を決めておく。

学生時代は、試験日が勝手に線を引いてくれました。

いまは誰も引いてくれません。

だからいつまでも終わらないか、始める前に諦めるかの両極になりがちです。

2級で足りると分かったなら、そこで止めていい。

止めた時間を、実際にデータを触ることに回すほうが、たいてい前に進みます。

そして、覚えたことは必ず抜けていきます。

そこで落ち込まないために、知識の定着率は、繰り返した回数で決まりますも合わせて読んでみてください。

資格そのものの距離感を掴みたいときは、難関資格の距離感は、合格した人に会うと一気に縮むのほうが早いと思います。

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花丸たすく

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▸ 「IT戦略×データ分析×プロジェクトマネジメント」の知見
▸ 京都大学卒業後、教育・情報サービス系JTCなどでDX推進・データ分析・人材開発に従事